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プノン・クーレン|アンコール王朝はじまりの聖なる山

プノンクーレンはアンコール王朝発祥の地と呼ばれている聖なる山です。かつてジャヤヴァルマン2世がこの地で即位宣言を行ったと言われています。

シェムリアップから北東に約60kmほど離れたプノンクーレンでは豊かな自然が広がり、地元の人たちにも人気の避暑地です!神聖な水が流れるプノンクーレンはパワースポットとしても人気があり、暑い日には滝壺で泳ぐこともできます。

CN編集部

ふつうの遺跡観光には少し飽きたな…という方には特にオススメ!ぜひカンボジアの大自然を堪能してみてください。

プノンクーレンってどんな場所?

プノンクーレン

まずはアンコール王朝の歴史を遡ってみましょう。

802年ごろ、ジャヤヴァルマン2世がシャイレーンドラ王朝から水真臘しんろうを解放し、分裂していた国を統一したことから、アンコール王朝(クメール王朝)がはじまります。

シャイレーンドラ王朝とは、8世紀半ばから9世紀前半にかけてジャワ島中部(現インドネシア)に建てられた王朝。大乗仏教を保護し、ボロブドゥール寺院などを建立した。

アンコール王朝のはじまりを宣言した聖山

その際にジャヤヴァルマン2世が転輪聖王としての即位儀式を行った場所が聖山プノンクーレンでした。転輪聖王とは、古代インドの思想で「すべての条件を兼ね備え、地上を法によって統治する理想の王」を意味します。

シャイレーンドラ王朝の支配を受けていた頃は、大乗仏教の影響もありましたが、アンコール時代からは基本的にヒンドゥー教による国家建設が始まりました。インド思想の影響を受けながらも、ここから独自の文化と美術様式を開花させていきます。

プノンクーレン基本情報
  • 802年にジャヤヴァルマン2世が即位儀式を行った場所
  • プノンは「山」、クーレンは「ライチ」を意味する
  • 標高は487mで、国立公園に指定されている
  • 山中には50を超える遺跡や彫像がある(おそらく9世紀頃に建造)
  • 見学時間の目安:2時間

カンボジアの歴史を解説!

地元の人の納涼レジャースポット

プノンクーレン
滝の付近に設置されたブランコ

神聖な山であるプノンクーレンは、週末やお祭りの時期に人気の巡礼地にもなっています。

また、プノンクーレンの見どころである大小2つの滝壺では、水着姿で泳ぐ人の姿も少なくありません。涼しげな水音は、暑い時期にぴったり!家族連れやカップルでピクニックに来ている人もよく見かけます。

近くには有料の更衣室のようなものもありますが、監視員が常にいる場所ではありません。泳ぐ際には安全に十分に留意して、あくまでも自己責任で行動してくださいね。

CN編集部

滝の付近にはかわいらしいブランコが設置されている箇所もあり、フォトスポットとしても人気があります。思い出に残る記念撮影ができますね!

オススメの観光の時期は?

カンボジアには「雨季」と「乾季」の2つの季節があります。時期によって水量が変化し、プノンクーレンやクバールスピアンなどの水中遺跡も見え方が大きく変わります。

一概に良し悪しは語れないのですが……雨季の方が滝を流れる水量が多く迫力を味わうことができます。森に茂る木々も青々としていて、とても美しいです。

一方で、あまり水量が多すぎると滝に近づくのが難しくなります(泳ぐのは危ないかも)。水流が多すぎると水が濁りやすいので、川底に刻まれた遺跡も見えにくくなる可能性があります。

プノンクーレン

乾季の場合、水量が減るので、川底の遺跡などは観察しやすくなります。ただし、写真で見かけるような迫力満点の滝の姿とは少しギャップがあるかもしれません。

プノンクーレンまでの行き方

プノンクーレン

プノンクーレンは、シェムリアップから約50km、バンテアイ・スレイ遺跡からは約15km離れた位置にあります。

山道をトゥクトゥクで登ることはできないため、プノンクーレンに向かう場合には車をチャーターするかツアーに参加する必要があります。車の場合、シェムリアップからおよそ2時間前後で到着します。*天候や道路状況にもよる

バイクタクシーでも行けないことはありませんが、移動距離が長いため体力的に大変です(腰とお尻が痛い…)。乾季は特に砂埃も多いので、安全のためにもヘルメットはお忘れなく!

チケットの購入が必要!

プノンクーレンは、アンコールパスの対象外となっています(2023年3月時点)。麓のチケットセンターで入山料(20USD/1人)を支払う必要があります。現金を忘れずに準備していってくださいね。

また、プノンクーレンは入山可能な時間が決められているので注意してください。狭い山道での車両の合流を避けるため、入山は正午まで、下山は正午以降となっています。制限時間内に入山するために、プノンクーレンを訪れる場合にはシェムリアップを朝出発しなければいけません。

CN編集部

プノンクーレンは「アンコールパス」が不要なので、有効日数を使い切ってしまった人にもオススメのスポットです!

セット観光でおすすめの遺跡

プノンクーレンを訪れる場合には、ツアー参加がおすすめ!乗り合いのツアーなら、お手頃な価格で近辺の遺跡をセットで巡ることができます。

人気なのは、「東洋のモナリザ」と呼ばれる女神像で有名なバンテアイ・スレイ遺跡。そして、川底に刻まれた水中遺跡が見どころのクバールスピアン遺跡です。

CN編集部

1日がかりのツアーにはなりますが、シェムリアップ郊外の遺跡を効率的に周れるコースもたくさんあります!体力のある方はぜひ利用してみてください。

観光の注意点

プノンクーレンは地元の人もよく訪れる人気スポットではありますが、森の奥深くや人が通らないエリアにはまだ地雷が残っている可能性もあり、無闇に行動するのはとても危険です。

内戦時代にはクメール・ルージュの兵士がプノンクーレン一帯を占拠しており、90年代後半まで一般市民が訪れることはほとんどありませんでした。

プノンクーレンの主な見どころである「2本の滝」「1000本リンガ」「巨大涅槃ねはん仏」以外にも小さな寺院や彫像が山中に点在しています。もしもそれらを訪れる場合には信頼できるガイドさんと一緒に行動しましょう。

現地ツアーを上手に活用!

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自然豊かな森の中なので、虫除けや歩きやすい靴などの基本的な対策も必須です!

CN編集部

安全に気を配りながら、楽しく観光しましょう!案内板もわかりにくいので、ガイドさんと一緒だと安心ですよ。

プノンクーレンの見どころは?

プノンクーレンには小さな寺院や彫像も含めると50以上の史跡が点在しています。

ただし、山奥はアクセスが不便な場所も多いので、一般的な観光地とされているのは「2つの滝壺」「1000本リンガ」「プリア・アントンの巨大涅槃ねはん仏」の3つです。

これ以外の場所を訪れる際には、信頼できるガイドさんと一緒に行動するようにしましょう。

聖水が流れる2つの滝壺

プノンクーレン

プノンクーレンの最大の見どころと言っても過言ではない立派な滝。下流側の大きな滝は高さ20m程と言われています。シェムリアップ側の源流にあたる川です。

この滝は映画『トゥームレイダー』のロケ地としても使われました。ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが滝に飛び込むシーンは迫力たっぷり(実際には飛び込めません)。

滝壺の水深はだいたい大人の腰くらいなので、地元の人や外国人観光客が泳いでいることもあります。

プノンクーレン

上流には小さめの滝が流れています。こちらの水深は足首ぐらいなので、気になる人は靴を脱いで入ってみるのもいいかもしれません。

柵で囲われたエリアでは、川底にヴィシュヌ神のレリーフが刻まれています。そんなに広くはない場所なので、ぜひ探してみてくださいね。

川底に刻まれた1000本リンガ

プノンクーレン

滝壺から川沿いに南下していくと、川底に無数のリンガが刻まれたエリアに辿り着きます。「1000本リンガ」と呼ばれる水中遺跡です。

リンガとは、破壊と再生を司るシヴァ神の象徴であり、豊穣や多産を願って祀られていました。リンガの上を流れると聖水になると考えられていたそうです。

プノンクーレン

プノンクーレンには、上の写真のように湧き水が出ている箇所もあります。地中から湧き上がる水は透明度が高く、とても神秘的。はるか昔から「水」と関係の深い土地であったことが窺えます。

プリア・アン・トム巨大涅槃仏

プノンクーレン

プノンクーレンには「プリア・アン・トム」と呼ばれる寺院があります。今も国内の多くの人が訪れる参拝スポットです。

寺院の入り口には、ナーガやシンハ(獅子)、ガルーダ、虎などの様々な石像が設置されています。中央の石階段を登っていくと本堂エリアです。

プノンクーレン

かつてプノンクーレンはアンコールワット建設時の採石場としても使われていました。そのため寺院周辺には今も巨石がたくさん残っています。寺院自体も巨石の上に建てられており、不思議な光景です。

CN編集部

かつては雨季の増水をうまく利用して、筏でシェムリアップまで巨石を運んだそうです。寺院建設は、想像を越える規模の国家プロジェクトだったんですね!

プノンクーレン

頂上には全長8mにもなる巨大な涅槃仏が安置されています。金色に輝くこの仏像は16世紀に砂岩から彫られたものです。カンボジア国内で最大級の大きさと言われています。

CN編集部

祠堂内にどっしりと横たわる姿は存在感たっぷりです。間近で目にすることができるので、ぜひ貴重な機会をお見逃しなく!

プノンクーレン

境内には無数の仏像も安置されています。現在も僧侶の方々がお勤めをする神聖な場所です。ぜひマナーを守って、静かにじっくりと見学してきてください。

一部では靴を脱がなければならない場所もあります。足裏を拭くためのウェットティッシュなどを持参しておくと便利です。

幻の巨象「スラードムライ」

上記の3つのエリア(2つの滝、1000本リンガ、巨大涅槃仏)以外へのアクセスは、道路状況が悪く車は通行困難で、バイクで向かうしか方法がありません。

また、奥地は地雷の危険性も残っているため、信頼できるガイドさんに同行してもらう必要があります。

プノンクーレンの滝エリアからバイクで40〜50分ほど山道を進むことになるので、体力に自信のある&マニアックな遺跡に興味のある方のみ挑戦してみてください!

プノンクーレン

バイクでしばらく進むと、森の中に静かに佇む象の巨像が見えてきます。「幻のスラードムライ」とも呼ばれる石像で、正確な時代や目的が判明しておらず、未だに多くの謎に包まれています。

体長は5.1m、体高は3.8mもあります。巨大な岩石から彫り出されたものと考えられています。

プノンクーレン

象の石像近くには、同じく岩石から彫り出されたシンハ(獅子)や蛙も鎮座しています。こちらもスラードムライと同様に、詳しい背景は解明されていません。

静謐な森の中に突如現れる巨大な石像。まさに「秘境」と呼ぶにふさわしい光景が広がっています!

CN編集部

「スラードムライ」から1kmほど離れた場所には「ルーンプロチウ洞窟」もあります。別名「コウモリの洞窟(Bat Cave)」とも呼ばれる場所で、僧侶が瞑想するために使っていたそうです。

断崖から見渡す絶景プーンタコー

プノンクーレン

プノンクーレンには、「プーンタコー」と呼ばれる断崖絶壁があります。麓から頂上に向かう道中にあり、一度車を降りてから徒歩でジャングルの中を歩いて向かいます。

切り立った崖から見たわす広大なジャングルの光景は、まさに圧巻!とくに雨季の場合には、緑が鮮やかに茂っていて一層美しいです。大自然を背景に記念写真はいかがでしょうか?

崖には柵などが一切ありません!足元には十分注意して、崖の端には近づかないようにしましょう。

プノンクーレンの観光ポイントまとめ

アンコール王朝はじまりの歴史と豊かな自然が満喫できる「プノンクーレン」の魅力をご紹介しました!

「普通の遺跡観光には少し飽きてしまったな…」という方には特におすすめのスポットです。街の喧騒から離れ、涼しげな水音に耳を澄ませながら、ゆっくりとハンモックでお昼寝というのも良いかもしれませんね。

CN編集部

写真映えするスポットも多いので、カンボジア旅行の記念を残したい!という方にもおすすめできる場所です。ぜひ友人やご家族と訪れてみてください。

プノンクーレンの見どころ!
  • 聖水の流れるパワースポットの2つの滝
  • 川底に刻まれた1000本リンガ
  • 巨大涅槃仏プリア・アン・トム
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プノンクーレン

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