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影絵芝居スバエクの魅力|無形文化遺産に登録されたカンボジアの伝統芸能

スバエクとはカンボジアの伝統的な影絵芝居です。

牛の皮を加工した人形を動かしながら、音楽に合わせて物語を紡いでいきます。ヤシの殻を燃やした炎で映し出される影絵はとても幻想的です!

2008年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。カンボジアの伝統芸能といえば「アプサラダンス」が有名ですが、ぜひもう一つの伝統芸能スバエクにも触れてみてください!

アプサラダンスについてはこちら!

影絵芝居スバエクとは?

影絵芝居スバエクは、牛の皮を加工した人形を用いたカンボジアの伝統芸能です。スバエクは、クメール語で「皮」を意味します。

スバエクは大きく2種類に分けられます。

  • スバエク・トム〔大型の影絵芝居〕
  • スバエク・トーイ〔小型の影絵芝居〕

スバエク・トム

まず、「スバエク・トム」と呼ばれる形式があります。

「トム」はクメール語で「大きい」という意味で、その名の通り大型の人形を用いて演じます。きれいに処理して色づけした牛皮に施された細やかな装飾がとても繊細で美しいです。

スバエク・トム

もともと高僧など地位ある人たちの火葬儀礼の際に行われていたようで、スバエク・トムの上演が鑑賞できる場所はカンボジア国内でも限られています。

上演はたいてい屋外で行われます。ヤシ殻を燃やした大きな炎で影を白幕に映し出すスタイルです。

スバエク・トムは、人形を操る遣い手だけでなく、音楽を奏でる学士や語り手とともに創り出す総合芸術です。ユネスコの無形文化遺産に登録されていますが、近年は上演の機会の減少や後継者不足により伝承の危機に晒されています。

スバエク・トーイ

もう一つは「スバエク・トーイ」と呼ばれる形式です。「トーイ」はクメール語で「小さい」を意味します。

スバエク・トムよりも小型の人形を使って演じる大衆向けの影絵芝居で、こちらはシェムリアップ市内でも上演が行われています。よりコミカルで親しみやすい演目が多いです。

スバエク・トーイ

人形には棒が取り付けられていて、演者たちはこの棒を操作して人形を動かします。わずかな動きで感情や細やかな仕草を表現する技術は見事です!

影絵芝居スバエクの歴史

影絵芝居スバエクは、アンコール時代以前から神聖な儀式として行われていたようです。

7世紀に建てられたサンボー・プレイ・クック遺跡には、儀式を行っている様子が浮き彫りに残されています。

幕の裏側でヤシの殻を燃やす

儀式は神々に捧げるためのものであり、年に3・4回の特別なときに水田やパゴダ(仏塔)で行われていたと言われています。

クメール新年や王の誕生日を祝ったり、僧侶や地域有力者を崇めたりするために演じられていたようです。

15世紀初頭にクメール帝国が滅亡した後は、芸術的要素が強くなり、国民の娯楽の一つとしてカンボジアで一般的に演じられるようになりました。

国内の芸術家の多くが犠牲となったクメール・ルージュ支配の時代には、伝統の継承が一時途絶えてしまいましたが、多くの人の尽力により内戦後に再び息を吹き返しました。

シェムリアップ州に暮らす「ティー・チアン一座」の人々は、伝統的な形式での上演を今も続けています。

Klook.com

定番の演目「リアムケー物語」

スバエク定番の演目が『リアムケー』と呼ばれる物語です。これは古代インド叙事詩『ラーマーヤナ』のカンボジア版です。

『ラーマーヤナ』は昔から伝わる物語で、カンボジアの遺跡の浮き彫りにも有名な場面が描かれています。アンコール・ワットの第一回廊東側に描かれた「ランカ島での戦い」のシーンも有名です。

CN編集部

影絵芝居自体はクメール語で行われるため、基本的なあらすじだけでも確認しておくと、一層楽しく鑑賞できると思います。

『ラーマーヤナ』あらすじ

コーサラ国王の長男である王子ラーマは、美しいシータ姫を妻に迎えます。しかし、陰謀によりラーマ王子は王位を奪われ、シータ姫と一緒に森で隠遁生活をすることになりました。

ある日、ランカ島の魔王ラーヴァナにシータ姫を奪われてしまいます。ラーマ王子は神猿ハヌマーンの力を借り、シータ姫奪還のためにランカ島へ向かいました。様々な困難を乗り越え、最終的にラーヴァナを倒し、シータ姫をようやく取り返します。

ところが、ラーマ王子は、ラーヴァナの側に長い間身を置いていたシータ姫の貞操を疑い、妻として受け入れることを拒みました。嘆いたシータ姫は炎の中に身を投じて、自身の潔白を証明します。火の神アグニがシータ姫に加護を与え、潔白を証明したため、シータ姫は無事にラーマ王子の元に帰ることができました。

影絵人形の製作工房と孤児院

スバエク用の人形は今でもすべて手作業で作られています。

使用される牛の皮は、屠殺したものではなく、自然死した牛のものでなければならないそうです。なめした皮を木の樹脂で色付けし、図案を描いてから、丁寧に彫る作業を進めていきます。

スバエク人形
細部まで装飾の施された人形

実際に作業している様子を見学したい場合には、バコン村の工房がおすすめです。

ロリュオス遺跡群の一つ、プレア・コー遺跡の向かいに影絵人形の製作工房兼孤児院(LITTLE ANGELS ORPHANAGE AND KHMER ART CENTER)があります。

スバエク人形を制作している様子
手作業で一つずつ製作する様子

スバエクは影絵芝居で用いるだけでなく、アート作品として飾ることもできます。

お土産用として小さな作品も販売されているので、カンボジア旅行の思い出としてもぴったりです。売上は孤児院の運営や子どもたちの生活費に還元されます。

バコン村のスバエク人形の工房
スバエクはアート作品としての人気も高い
CN編集部

「ロリュオス遺跡群」の観光の際に立ち寄るのがオススメですよ!プレア・コー遺跡の真向かいに「Little Angels」があります。

スバエク自体は、オールドマーケットなどの市場やお土産屋さんでも購入可能です。インテリアとしても素敵なので、気に入ったデザインのものがあれば、ぜひ手に取ってみてください。

スバエクを鑑賞できる場所

シェムリアップでは、スバエク・トーイが鑑賞できる場所があります。日が暮れた後に幻想的な影絵芝居を堪能してみてはいかがでしょうか。

CN編集部

Chocolate Gardensというカフェでは、週末にスバエク・トーイの上演をしています。(上演予定は、Chocolate Gardensのインスタを確認!)

スバエク・トムに関しては、定期的な上演は基本的に行われていません

もともと神々に捧げるためのものだったスバエクは、クメール正月や王の誕生日、有名人の崇拝などに合わせて実施されることが多いです。

直近だと2024年6月15日にWat Aranh Sakorというシェムリアップのお寺で「ティーチアン一座」によるスバエク・トムの上演がありました。お寺の行事として実施されたもので、チケットなどはありません(無料で観覧できます)。次の上演は未定ですが、もしカンボジアにいらっしゃるタイミングとうまく重なったら、ぜひ足を運んでみてください!(2024年6月追記)

上演前の様子

影絵芝居スバエク|まとめ

スバエクは、なかなか日本では見ることのできないカンボジアならではの伝統芸能です。

影絵人形を製作する技術や、人形を細やかに動かす技術、伝統的な音楽など様々な技術が集約されたまさに総合芸術です。

クメール語が分からなくても、大まかな物語のあらすじは解説してもらえるので、ぜひ機会があれば鑑賞してみてください!

カンボジア旅行の特別な思い出作りにぴったりです!

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