
シェムリアップには歴史や芸術に触れることのできる博物館やアートギャラリーがたくさんあります!市内中心エリアに近い施設もあるので、遺跡観光の合間に訪れてみてはいかがでしょうか?
博物館などでカンボジアの歴史に関する知識を深めると、遺跡鑑賞もさらに楽しくなります。また、カンボジアの内戦にまつわる展示を行なっている博物館では、近現代のアジア史について深く学ぶこともできます。
アンコール国立博物館|Angkor National Museum
もはや博物館の定番とも言える存在の「アンコール国立博物館」からご紹介!
シェムリアップの中心部からアンコール・ワットに向かう途中にあり、アクセスは抜群。館内は冷房がしっかり効いているので、日中の暑い時間帯の観光にぴったりです。

館内は8つのギャラリーに分かれて展示されており、時代やテーマによって分類されています。中でも見所の一つは、「千体の仏像」を展示しているギャラリーです。年代ごとに仏像のスタイルの変化が見て取れます。
こちらの博物館に展示されているものは、どれも貴重なものばかり。重要文化財を保護するために、実際の遺跡にはレプリカが設置されていることがあるのですが、国立博物館には各遺跡で発見された「本物」が展示されています。
単純に展示しているだけでなく、映像やジオラマを用いた解説もあるので、色々な角度から楽しむことができます。
解説文は英語とクメール語で表記されていますが、受付で日本語の音声ガイドを借りることもできます(5USD)。もしくは日本語ガイド付きのツアーもあるので検討してみてはいかがでしょうか。
住所 No.968, Vithei Charles de Gaulle, Khum 6, Svay Dangkum
営業時間【4~9月】8:30~18:00、【10月~3月】8:30~18:30
休館日 年中無休
入場料 大人(12歳以上) 12USドル、 11歳以下 6USドル、6歳以下 無料
遺跡以外の観光スポットを紹介!
シハヌーク・イオン博物館|Preah Norodom Sihanouk-Angkor Museum
実はこの博物館は日本と関わりが深く、名前の通り日本企業である「イオン」の支援によって完成しました。
ここに展示されている仏像などの多くは、ジャヤヴァルマン7世によって12世紀末に創建された仏教寺院「バンテアイ・クデイ」から出土したものです。

バンテアイ・クデイ遺跡では、上智大学の石澤良昭先生率いるアンコール遺跡国際調査団によって発掘調査が進められていました。2001年、境内から274体もの仏像が発見され、考古学的な大発見となりました。
それらの貴重な石仏を保存・展示するために建設されたのが、この「シハヌーク・イオン博物館(Preah Norodom Sihanouk – Angkor Museum)です。
実はこれらのバンテアイ・クデイ遺跡で出土した仏像は、みな首のあたりで頭部が切り離された状態で発見されました。検証の結果、これらは埋める前に打ち砕かれたものであり、丁寧に埋没されたものであることも分かりました。
なぜこのような事態が発生したのかというと、当時のシヴァ派教徒の反動だったのではないかと言われています。1181年に即位し、アンコール王朝を繁栄へと導いた「ジャヤヴァルマン7世」は敬虔な仏教徒でもありました。バンテアイ・クデイやバイヨン、タ・プロームなど数々の仏教寺院を建設しています。
一方で、ジャヤヴァルマン7世の没後に即位した王は、再びヒンドゥー教を採用しました。そこで、仏教寺院の痕跡を消すために、廃仏行為がなされたのではないかと言われています。

住所 Phum Boeung Don Pa, Khum Slakran Sruk
営業時間 8:00~17:00
休館日 月曜日、カンボジアの祝日
入場料 3USドル、 12歳以下無料
地雷博物館|Land Mines Museum
カンボジアには、クメール・ルージュによる支配と内戦による悲惨な歴史を後世に伝える博物館がいくつかあります。地雷博物館もその一つであり、ここではカンボジア国内で発見・処理された、地雷や不発弾に関するものが展示されています。
この博物館は、元クメール・ルージュの兵士でもあり、ベトナムにも従軍した経験を持つアキラ氏によって創設されました。現地で地雷撤去のための活動をずっと続けています。

1970年代から約20年にわたって続いたカンボジア内戦により、国内には400万〜600万もの地雷が埋められたと言われています。カンボジアでは2025年までに地雷撤去を完了させることを目標としていますが、作業は難航しており、達成が難しい状況だそうです。
地雷や不発弾は、日本で暮らしていると想像の及ばない部分ですが、カンボジアでは今も根深い問題として残っています。ぜひ世界のそうした現状に目を向けるためにも一度訪れてみてください。
住所 Angkor National Park, 7km south of Banteay Srey Temple, Siem Reap
営業時間 8:00~17:00
休館日 年中無休
入場料 5USドル、 12歳以下無料
バンテアイ・スレイ遺跡に行く途中にあるので、セットで訪れるのがおすすめです。
戦争博物館|War Museum
こちらも地雷博物館と同じく、カンボジアの内戦を伝える博物館の一つです。市内中心部から、シェムリアップ国際空港に向かう途中にあります。
基本的に屋外の展示で、敷地内には当時使われていた戦車や大砲、戦闘機、そのほかの武器などが置かれている状態です。詳しい解説板などは無く、本当に「そのまま置かれただけ」という雰囲気ですが、かえって生々しさを感じるかもしれません。

きれいに整然と展示された博物館ではありませんが、だからこそ一層のリアリティがあります。市内中心部からは比較的近い場所にあるので、お時間のある方はぜひ立ち寄ってみてください。
住所 Kasekam Village, Sra Nge Commune, XU-814
営業時間 8:00~17:30
休館日 年中無休(祝日などは要確認)
入場料 5USドル
SM Art Center
シェムリアップで新しい文化体験を探している方におすすめしたいのが、2025年にオープンした現代アート美術館「SM Art Center」です。
アンコール遺跡群の観光が中心になりがちなシェムリアップですが、実は近年、カンボジア人アーティストによる創作活動が注目されており、現代アートを通してこの国の価値観や歴史に触れられるスポットが増えています。SM Art Centerは、その中でも特に訪れておきたい新名所のひとつ。

中心部から少し離れた静かなエリアに位置し、観光の合間にゆっくりとアート鑑賞が楽しめます。
住所 ផ្លូវក្រវ៉ាត់ក្រុង, Krong Siem Reap 171201
営業時間 8:00~17:00
休館日 定休日なし
入場料 大人5ドル(外国人料金)
ティアムズハウス|Theam’s Gallery
カンボジアの現代アートに触れたいなら、ティアムズハウスがおすすめ!
カンボジアの伝統と技巧を活かしつつ、洗練された現代アートの作品を多数展示しています。展示されている作品はもちろんのこと、施設の上品な雰囲気も素敵です(入り口はちょっと分かりにくいかもしれません)。

ギャラリーを運営しているTheam氏は、長年の内戦で途絶えてしまったカンボジアの芸術を復興させるために尽力し続けてきました。カンボジアの伝統と技巧を後世に伝えるために、若手に熱心な指導を行なっている人物でもあります。
Theam氏は12年にわたり「Artisans d’Angkor」でディレクターなどを務めたあと、自身のプロジェクトとしてこのギャラリーを立ち上げました。

展示されている工芸品や絵画などは購入することも可能です。通常の土産物屋ではお目にかかれないようなハイクオリティの作品を探している方は、ぜひこちらに立ち寄ってみてください。購入目的でなくとも、ギャラリーを見学するだけで優雅な時間を過ごすことができます。
住所 100m after MOK NEAK high school, Road 30. Phum Veal, Kokchak district
営業時間 8:00~18:00
休館日 年中無休
入場料 5USドル、 12歳以下無料
カンボジアの博物館&アートギャラリー|まとめ
カンボジア観光の目玉といえば、やはりアンコール・ワットをはじめとする数々の遺跡ですが、実はシェムリアップにはそれ以外にも見所がたくさんあります!
とくに博物館や美術館は、日差しの厳しい昼の時間帯に立ち寄るのにぴったりです。涼しい館内でゆっくりと歴史や芸術に触れてみてはいかがでしょうか?
鑑賞後には近くのカフェやマッサージなどで更にリラックスする時間を過ごすのもおすすめですよ。



























今回はおすすめの博物館&アートギャラリー6選をご紹介します!ぜひアートや歴史に興味のある方は訪れてみてくださいね。