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スラ・スラン遺跡 [Srah Srang] 朝日も夕日も鑑賞できる超穴場スポット

スラ・スラン遺跡は、バイヨン寺院やタ・プローム寺院などを創建したジャヤヴァルマン7世が作った「王のための沐浴池」です。その広さは東西700m、南北300mにも及びます。

大池の西側にはテラスが設置されていて、ここから朝日を鑑賞することができます。それだけでなく、テラス対岸の東側からは夕日も鑑賞できてしまう隠れた穴場スポットでもあります!

スラ・スランってどんな遺跡?

スラ・スランがどのような遺跡なのか、まずは基本情報を確認してみましょう。

  • 建設には2人の王が携わった
  • 王や高僧の沐浴池として使われていた

建設に携わった2人の王

スラ・スランの大池の部分は、10世紀にラージェンドラヴァルマン2世によって掘られました。その当時は、まだテラスなどは設置されておらず、池だけがあったと考えられます。

その後12世紀後半に、ジャヤヴァルマン7世が増築を開始。王や高僧が沐浴するために、テラスや周壁が整備され、池に降りるための階段も作られたと言われています。どうやら近くの「バンテアイ・クデイ寺院」の増改築と同じタイミングで行われたようです。

スラ・スラン遺跡
スラ・スラン遺跡
  • ラージェンドラヴァルマン2世
    「プレ・ループ」や「東メボン」「ピミアナカス」などを建設しました
  • ジャヤヴァルマン7世
    大乗仏教を篤信していた王で、「バイヨン」や「タ・プローム」「プリア・カン」など多数の仏教寺院を建設しました
ジャヤヴァルマン7世の坐像
ジャヤヴァルマン7世の坐像

王や高僧の沐浴池として使われていた

スラ・スランとは「沐浴の池(The royal bathing pool)」という意味です。王や高僧らが沐浴のために使っていたと言われています。発見された碑文には、「象の沐浴を禁じる」という記述が残っているそうです。

また、1964年にはフランスの発掘調査団によって、大池の北西部で墓所(ネクロポリス)が発見されました。火葬後の棺が多数見つかったことから、共同墓地として使われていたという説もあるようです。

現在のスラ・スランは涼を求める地元の人々の憩いの場になっています。周囲を散歩する人や、岸で景色を眺める人も多いです。また、デートスポットとしても隠れた人気があります。

スラ・スラン遺跡
西側テラスのシンハ(獅子)
スラ・スランの基本情報
  • 時代:12世紀末
  • 建築した王:ジャヤヴァルマン7世
  • 見学時間の目安:15〜30分

スラ・スランへの行き方

スラ・スランのすぐ近くにはバンテアイ・クデイ遺跡があります。

「バンテアイ・クデイ」の前身である「クデイ(僧院)」をラージェンドラヴァルマン2世が建立し、その後ジャヤヴァルマン7世が増改築したと言われています。

スラ・スランとバンテアイ・クデイは距離が近いので、セットで観光するのがおすすめです。また、その他にも周囲には小型の寺院が散在しています。ひっそりと佇む小型の寺院にも味わい深い趣があるので、機会があれば訪れてみてくださいね。

スラ・スランの大池の周りには、カンボジア料理のレストランがいくつかあります。観光客向けのレストランなので、英語表記(たまに写真付き)のメニューが用意されています。

ランチやお茶休憩などに利用するのにぴったりです。カンボジアの暑い日中は歩くだけでも体力を使うので、しっかりご飯を食べてスタミナをつけてくださいね!

スラ・スラン遺跡の周辺
スラ・スラン遺跡の周辺

カンボジア料理の紹介はこちら!

スラ・スランの見どころは?

テラスを守護する神獣たち

スラ・スラン西側のテラスは、神話に登場する神獣たちが大池を見守るように佇んでいます。上段にいるのがシンハ(獅子)、下段の欄干部分の先にいるのがナーガとガルーダです。

ナーガの上にガルーダが乗っている姿が表現されています。このナーガとガルーダのモチーフは、ジャヤヴァルマン7世の時代の建築の特徴の一つです。プリア・カン遺跡の周壁にもナーガを足で押さえつけているガルーダの姿が彫られています。

スラ・スラン遺跡
西側テラスの様子
ナーガとガルーダの宿命

実はインドの神話において、ナーガとガルーダは敵対関係にあります。ガルーダの母親がナーガたちに奴隷として酷使されていたことをガルーダは恨んでいました。神々から不死の身体を授けられたガルーダは、その後ナーガを食料とするようになったそうです。

修復中の中央祠堂

スラ・スランの大池の中央には、ほかのバライ(貯水地)と同じくかつては中央祠堂が存在していたと考えられています。しかし、劣化に伴い石造寺院は崩壊し、現代では水位の下がる乾季のときに、かろうじて石材が水面に現れるだけの状態でした。

2019年に修復工事が開始され、それに伴う発掘調査で大量の水晶や亀の石彫が発見されたことが話題になりました。亀の石彫は「シハヌーク・イオン博物館」に展示されています。

CN編集部

将来的には中央祠堂の一般公開も予定されているそうです!楽しみですね!

サンライズ鑑賞(朝日)

朝日鑑賞の人気定番スポットであるアンコール・ワットとはまた違った趣が味わえるのがスラ・スランの魅力です。

広大な水面に朝日が反射する様子はとても幻想的。東の空が赤く染まって、少しずつ明るくなる様子を西側のテラスからゆったり楽しめます。

基本的にあまり混雑することのないスポットなので、周囲の人をさほど気にすることなく、ゆっくりと過ごせる点も良いですね。遮蔽物もほとんどないので、写真を撮影するのにもぴったり!大池を背景にしてシルエット写真を撮るのも素敵です。

スラ・スラン遺跡の朝日鑑賞
スラ・スラン遺跡の朝日鑑賞
朝日鑑賞の当日にチケットは購入できる?

「アンコールパス」の販売窓口は朝5時から営業を開始しています。販売窓口に立ち寄ってから遺跡に向かうことが可能です。どの遺跡に入るときも必ずチケットの提示を求められるので、忘れないように注意してくださいね!
*アンコールパス対象外の遠方の遺跡も一部あります

Angkor Enterprise[公式チケット販売]
https://www.angkorenterprise.gov.kh/

サンセット鑑賞(夕日)

夕日鑑賞の場合には、スラ・スランの東側がおすすめです。朝日とは異なり、オレンジ色に輝く夕日が森の奥にゆっくりと沈んでいく様子を堪能することができます。

夕日鑑賞のスポットとしては、プノン・バケンやプレ・ループも人気ですが、スラ・スランはその2つほど混雑の心配がありません。また、坂道や急な階段を登る必要もないため、アクセスも簡単です。気軽に立ち寄れるのがメリットですね。

スラ・スラン遺跡の夕日鑑賞
スラ・スラン遺跡の夕日鑑賞

遺跡エリアには電灯が無いため、日の出前や日没後は周囲がだいぶ暗いです。ライト等で足元を照らしながら、気をつけて歩いてください。

スラ・スラン遺跡のポイントまとめ

石造遺跡としての規模は小さめですが、広大な大池が魅力のスラ・スラン遺跡。朝日や夕日鑑賞の穴場スポットとして隠れた人気もあります!

遺跡巡りでちょっと疲れた際には、ぜひスラ・スランに立ち寄ってみてください。涼しげな木陰でぼんやりと水面を眺めるだけで癒されるはずです。

スラ・スラン遺跡の見どころ
  • 開放感たっぷりの広大な大池!
  • 朝日/夕日鑑賞の隠れた人気スポット
  • 西側のテラスと修復作業中の中央祠堂
CN編集部

ゆったり過ごすのにぴったりな場所です!地元の人たちと一緒に木陰でのんびりしてみませんか?

スラ・スラン遺跡