カンボジアのシェムリアップといえば、有名なのは何といってもアンコール遺跡群。その壮大さに圧倒される一方で、どのように効率よく巡ればいいか迷ってしまう方も少なくありません。
シェムリアップの遺跡観光には、「小回りコース」と「大回りコース」という定番の二つのルートがあります。初めて訪れる方でも効率よく巡れる小回りコースと、さらに奥深く遺跡を探索したい方におすすめの大回りコース。
それぞれの特徴や見どころについて詳しくご紹介しますので、ぜひ自分にぴったりの旅のプランを見つけてください!
Klook.com小回り&大回りコースとは?
「小回りコース」と「大回りコース」は、アンコール遺跡群を訪れる際の2つの主要な観光ルートです。
シェムリアップには、有名なアンコール・ワットやアンコール・トムなどの他にもたくさんの遺跡が残っています。「小回りコース」や「大回りコース」に沿って進むと、効率的に主要な遺跡を観光することができます。
小回りコースの定番遺跡
「小回りコース」は、アンコール遺跡群の中でも主要で比較的近い場所に位置する遺跡を巡るコースです。英語では「Small Circuit」などと呼ばれています。
観光の時間が限られている場合や、初めての訪問者にオススメです! 距離が比較的短いため、半日から一日で観光を終えることが可能です。
観光客に特に人気が高い「タ・プローム」を含むルートです! タ・プローム寺院は、有名なハリウッド映画のロケ地として採用され、一躍有名になりました
プラサット・クラヴァン [Prasat Kravan]
プラサット・クラヴァンは921年に建てられたヒンドゥー教の寺院です。すべてがれんが造りで、5つの小さな祠堂が横一列に並んでいます。
遺跡の規模としてはかなり小さめですが、祠堂内に刻まれた神々のレリーフは圧巻!
暗闇の中に浮かび上がる荘厳なヴィシュヌ神の姿や「れんが色の女神」と呼ばれるラクシュミー像は一見の価値があります。
バンテアイ・クデイ [Banteay Kdei]
バンテアイ・クデイは、ジャヤヴァルマン7世が創建した仏教寺院です。
2001年に日本の発掘調査チームが、地中に埋没された大量の仏像を発見したことにより、世界的な注目を集めました。アンコール王朝の歴史の謎に迫る、まさに世紀の大発見と言われています。
迷路のように入り組んだ構造と、慎ましやかなデヴァター(女神)像が不思議な魅力を放つ遺跡です。
スラ・スラン [Srah Srang]
スラ・スランは、バンテアイ・クデイの向かいにある「王のための沐浴池」です。その広さは東西700m、南北300mにも及びます。
大池の西側にはテラスが設置されていて、ここで朝日を鑑賞することができます。朝日鑑賞といえばアンコールワットが有名ですが、スラ・スランではまた違った魅力を楽しむことができます。
タ・プローム [Ta Prohm]
タ・プロームは、ジャヤヴァルマン7世が母のために創建した菩提寺だと言われています。
巨大樹が遺跡に絡みつくように根を張っている姿が何よりも印象的で、数あるアンコール遺跡群の中でも特に人気のあるスポットです!
かつてハリウッド映画『トゥームレイダー』のロケ地として撮影が行われたことをきっかけに、世界中から多くの注目を集めるようになりました。
タ・ケウ [Ta Keo]
タ・ケウ遺跡は「クリスタルの古老」という意味を持つ寺院です。
実はこのタ・ケウは、アンコール・ワット建立に向けたリハーサル的要素を含んでいたと言われています。寺院自体は、王の急逝によって建設が中断されてしまいましたが、もし完成していたらアンコール・ワットに次ぐ象徴的な寺院になっていたかもしれません。
未完成寺院のため、ほかの遺跡と比べる装飾は控えめですが、天に聳え立つような急峻なピラミッド構造が特徴的です。階段がとても急なので、訪問の際は十分に注意してください。
チャウ・サイ・テヴォーダ [Chau Say Tevoda]
チャウ・サイ・テヴォーダは、小回りコースの中でもマニアックな遺跡です。一般的なツアーでは訪問しないことが多いので、観光する場合にはトゥクトゥク等をチャーターする必要があります。
規模は小さめですが、所々に施された繊細な花葉紋や優美なデヴァター像、保存状態の良い空中参道は見応えがあります。訪れる観光客が少ないため、混雑することなく静かにゆったり鑑賞が楽しめるのもポイントです。
トマノン [Thommanon]
トマノンは、チャウ・サイ・テヴォーダのすぐ隣にあるヒンドゥー教寺院です。
フランス極東学院によって10年以上の歳月をかけて修復作業が行われ、建設当時に近い姿を今も残している大変貴重な遺跡です。小規模寺院でありながら、その洗練された美しさと保存状態の良さから高い評価を得ています。
破風には貴重なレリーフがいくつも残されているので、訪問した際はぜひ忘れずにチェックしてみてください。
大回りコースの主な遺跡
「大回りコース」は、アンコール遺跡群のより広範囲にわたる遺跡を含んでいます。アンコール・ワットの東北側を大きく周るルートです。
小回りコースに比べると、ややマニアックな遺跡が多く、遺跡好きの方におすすめです。
プリア・カン [Preah Khan]
プリア・カンは、大回りコースの中でも特に注目すべき巨大寺院です。ジャヤヴァルマン7世がチャンパ軍に勝利したことを記念して、王の菩提寺として創建しました。
プリア・カンの見どころは、ギリシャ神殿風の二階建ての建物です。二階建ての構造はアンコール遺跡群の中でも特に珍しく、謎が多く残っています。
また、周壁に刻まれた巨大なガルーダ像や13人の踊り子のレリーフもプリア・カン遺跡ならではの見学ポイントになっています。
ニャック・ポアン [Neak Pean]
ニャック・ポアンは「ジャヤタターカ」と呼ばれる北バライ(貯水池)の中心にあるユニークな遺跡です。他の遺跡とは役割や構造が大きく異なっており、アンコール遺跡群の中でも独特な存在感を放っています。
ニャック・ポアンは周囲の自然も含めて、楽しめる遺跡です。よく晴れた日には、鏡のように水面が反射して幻想的な光景を見ることができます。
タ・ソム [Ta Som]
タ・ソムを訪れる人はそれほど多くありませんが、ユニークな魅力溢れるデヴァター(女神)像が壁面にいくつも刻まれており、ひそかに人気を集めているスポットです。
木の根が全体に張り巡らされた東塔門はひじょうに見応えがあります。木の根の隙間から覗く破風にもぜひ注目してみてください。おもしろい写真が撮れる穴場スポットになっています。
東メボン [East Mebon]
東メボンは、東バライと呼ばれる巨大な貯水池の中央に建てられました。
現在、貯水池の水は涸れてしまっていますが、かつては水面に反射した陽の光によって輝くような姿をしていたそうです。別名「ゴールデンマウンテン(黄金の山)」と呼ばれることもありました。
昔の人々は、船を使って東メボンを訪れていました。外側の周壁には、かつての水位を示す跡が確認されています。水に浮かぶ寺院の姿はさぞ神秘的だったに違いありません!
プレ・ループ [Pre Rup]
プレ・ループは、961年に創建されたアンコール王朝最後のれんが建築寺院です。それ以降は砂岩を使った建築が中心となります。
ピラミッド型の寺院であり、三層の基壇が重ねられていて、最上層に中央祠堂がそびえるという構造をしています。シェムリアップの中でも人気のある夕日鑑賞スポットであり、美しい夕日とカンボジアの平原を楽しむことができます。
遺跡観光の方法は?
アンコール・ワットをはじめとする遺跡群は、主にシェムリアップの街の北側に集まっています。街の中心部からはトゥクトゥクで20〜30分ほどの距離です。
ここでは主な遺跡観光の方法を3つご紹介します。ぜひご自身のプランや予算などに合わせて選んでみてください
ガイド付き現地ツアーに参加する
まずオススメなのは、ガイドさん付きの現地ツアーに参加する方法です。現地の専門ガイドさんが一緒なら、効率的に見どころを観光することができます。
カンボジアの歴史や宗教、文化について色々な話を聞けるのもガイドさん付きツアーの醍醐味ですね!
色々な種類のツアーがある中で、もっとも安く参加できるのは英語のグループツアーです。街中の旅行会社で直接申し込むこともできますが、現地での予約手続きが不安な方はKlook(クルック)から申し込むのがオススメです。
Klook.com英語が苦手な方には、日本語ガイドさん付きのツアーがおすすめ!
シェムリアップには日本語対応OKのガイドさんがたくさんいます。英語ツアーよりもお値段は高くなりますが、日本語ですべて説明が聞けるので、外国語が苦手な方でも安心です!
個人でチャーターする(ガイド無し)
自分たちで自由に観光したいなら、トゥクトゥクや車をチャーターする方法がおすすめです。
遺跡自体は、ガイドさんがいなくても自由に観光することができます。自分たちが行きたい遺跡だけ訪問することもできますし、時間調整もかなり融通が効きます。
滞在しているホテルでトゥクトゥクを手配してもらうか、街中のドライバーさんに直接交渉してみましょう。英語でのやりとりが不安な方には、Klookでトゥクトゥクを手配する方法がおすすめです。
無用なトラブルを避けるために、乗車前に必ず【値段】と【行き先】を確認しておきましょう
バイクや自転車をレンタルする
もっとも自由度が高い方法は、自分でバイクや自転車を借りて移動する方法です。
シェムリアップの街中には、レンタルショップがたくさんあり、手軽に借りることができます。遺跡に向かう道中も楽しみたい、という方にはとてもオススメです。
また、費用の面でも自分でレンタルして移動する方法が一番安くなります。
一方で、カンボジアの交通事情は日本と異なるため、十分な注意が必要です!
基本的に市内は舗装された道が多いですが、場所によっては舗装されていない赤土の道もあります。運転に慣れていないと転倒してしまうこともあるので、慎重に進みましょう。
また、雨の多い季節(雨季)にも注意が必要です。大雨の際は視界が悪くなりますし、道がぬかるんでスリップしやすくなります。
交通事故のリスクを十分に理解した上で、自己責任で利用しましょう!
小回り&大回りコース|まとめ
今回は、シェムリアップの主要な遺跡観光ルートである「小回りコース」と「大回りコース」をご紹介しました!
シェムリアップには遺跡がたくさん残っているので、どこを観光すれば良いのか迷ってしまいがちですが、ひとまず「小回りコース」と「大回りコース」を参考にしてスケジュールを立ててみましょう。
さらに観光スケジュールに余裕があれば、遠方の遺跡にもぜひ足を伸ばしてみてください!
Klook.com
すべての遺跡を網羅できるわけではありませんが、この2つのコースを巡れば、アンコールワット付近の主要な遺跡のほとんどを訪れることができます